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2020.08.04
サッカー|秋田|2020.08.04
秋田のサッカーをリードするために
困難な1年を全員で戦い抜く
[明桜高校]撮影・文◉竹内松裕
全員攻撃・全員守備のサッカー
7月中旬。いまにも雨が降り出しそうな梅雨空の下、グラウンドの中央で円陣を組んだ明桜高校サッカー部の選手たちに向けて、原美彦監督が声を掛ける。
その内容は「自分が人のために何をやるのか」を考えさせる内容だった。原監督が常日頃から発信し、同部のサッカーの根幹を成す概念だ。
原監督は「全員攻撃・全員守備」を掲げている。ポジションによって各選手の立ち位置は決まるが、FWだけが点を取るのではなく、CBだけが守備をするのではない。ピッチ上の全員が攻撃をすれば、相手は的を絞るのが難しくなりチームの勝利が近づく。
たとえばCBが攻撃参加のために前線に向かえば、自陣の守備者が減って相手の反撃も受けやすくなる。それを未然に防ぐために、FWが守備の役割を担う。チームメイトの意図を理解し、相手の状況を見て判断して動く。試合中に何度も起こりうるこうしたシーンで、チームのために互助の気持ちを持って走ることが求められる。
「やらされているうちはなにも身に付かない。自分自身が五感を働かせてプレーできるのか。ここが一番重要」と選手たちに働きかけていく原監督。
「成功と失敗を繰り返しながら人間として成長してくれれば、それがプレーの成長にもつながる」と、人間育成を大切にする優先順位にもブレはない。
このチームの注目選手になるのがMF内藤蒼空(ないとう・あおい)。豊富な運動量で中盤を活性化し、積極的な攻撃参加でゴールも狙う。
1年生の頃は坊主頭だったが、いまでは髪を伸ばし、少し大人びたような印象も受ける。しかし明るいキャラクターは変わらない。
この日の練習でも、周囲の状況を見て声を出したり、手を叩いたりして鼓舞をしたかと思うと、時折笑顔を見せて周囲の雰囲気を和らげる。この日の練習でもそんな内藤の持ち味は光っていた。
豊富な運動量が持ち味のMF内藤蒼空
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